変な人を面白がれる才能|万年B組ヒムケン先生を観て
深夜番組の「万年B組ヒムケン先生」には毎回びっくりさせられる。
「万年B組ヒムケン先生」は
圧倒的にB組の芸人たちによる
街でスカウトした素人のB組の人たちを応援するバラエティーだ。
出てくる人は、
見た目も行動も強烈なインパクト。
あんな逸材どこで見つけてくるのだろう。
例えば、ネットで話題になった野球少年のケブ君、
以下こちらから引用
『万年B組ヒムケン先生』個性的な野球少年・ケブ君のキャラが衝撃的すぎるとネット上で話題に - AOLニュース
この日、番組のスタッフは秋葉原の路上で、道具も持たずにシャドウプレイと思しき野球の練習をしている謎の野球少年・ケブ君(17)に遭遇。一見してわかる野球への情熱を持つ彼に、バナナマン・日村演じる"ヒムケン先生"を派遣し、彼に熱血指導をすることとなった。しかし、それまで一切野球経験がないにもかかわらず、水島新司の人気野球漫画『あぶさん』を見て衝撃を受け、いきなり野球に目覚めたという彼は、お金がないため、普通の白シャツに自ら色を塗って、同漫画の主人公・景浦安武が所属する南海ホークスのユニフォーム風に仕上げた練習着と、自作した南海キャップを身につけて、ひたすら「遊撃手のプレイ」をイメージした"エア野球"的な激しい練習を繰り返すのみ。しかも、そうした光景を眺める日村の前で、彼がようやく取り出した野球用具はプラバットのみという状況であった。
うーん、すごい…。
圧倒的な存在感だ…。
一方、存在感は薄めの自分。
私とケブ君は一体何が違うのだろう。
変な人は愛が過剰
変な人とは何か過剰な人だと思う。
何が過剰かというと、それはざっくり言うと愛なのではないか。
ケブくんは野球に対する愛が過剰だからお金がなくても練習を毎日続ける。
野球選手になれないことを疑わないほど自分を信じている。
人生の生きる意味を失いがちの現代、貴重な存在ではないか。
普通なら秋葉原で一人、
野球の「エア練習」をしている奴がいれば避けるもの。
そんな過剰な人にどうしようもなく惹かれ、
コンタクトを取ろうとしてしまう人がいる。
過剰な人にどうしようもなく惹かれる人
「過剰な人にどうしようもなく惹かれる人」として
思い浮かぶのは
◎写真家で編集者の都築響一さん
秘宝館やラブドールなど悪趣味なものから、
暴走族、寝たきり老人、ラッパーなど
エッジの立った人たちを写真や文章で取材している。
現在は会員制の有料メルマガ「ROADSIDERS' weekly」を発行している。
この内容もかなりディープだ。
◎漫画家の清野とおるさん
何年か前に奇跡的にドラマ化された「東京都北区赤羽」の原作。
このマンガに登場する「居酒屋ちから」のマスターと常連、
謎の女性ペイティさんなどすべて実在しており、実話。
この人たちと仲良くしたい思う好奇心がすごい。
変な人を面白がれるのは才能だ
お二人とも無名な人にスポットを当てるのがうまい。
生活感の濃さは他の写真家や漫画家とは一戦を画している。
過剰な人たちはきっと社会とはうまくいってないだろう。
社会の海底の暗いところに追いやられているだろう。
彼らはヒーローのように彼らを地上へ救いだしてあげる。
彼らは過剰な人を尊敬し、同時に面白がっている。
「おかしい」を「面白い」に変えることは才能だ。
この転換は編集力とも言える。
編集とはまだ誰も見つけていない価値観を示すこと。
編集とは他人への愛なのだ。