ひとり会議

新しい意識をそっと伝えるブログ

「貧困女子」は自己責任ではなく社会問題なのだ

 

朝日新聞大阪社会部の花房さんという方が書かれた

「記者有論」というコラムが、自分がもやもやと考えていたことを

明文化してもらった感じがしました。

 

digital.asahi.com

 

ここでいう「見えない女性」とは、

「非正規・単身・子なし・中年」の女性のことです。

(長いので「貧困女子」と略します。「貧困女子」は

必ずしも「単身・子なし・中年」を指すわけではありませんが)。

 

今でこそ「正社員・既婚・子なし・中年」の私ですが、

転職・婚活がたまたまうまくいっただけで、

一歩道を間違っていれば、と思うと人ごとではありません。

実際、友人や親族の中にこのような状況の人はいるし、

女性の中でも少数派ではないと思います。

 

「独身の中年女子」というと、正社員でキャリアを積み、

時間やお金に余裕がある印象を持たれがちだ。

実際には35歳〜54歳で働く未婚女性の4割近くは不安定な非正規。

(中略)

「非正規・単身・子なし・中年」の女性は周りから

結婚・出産の圧力を受け、親族から介護の担い手を期待されながら、

人手不足・人件費抑制の労働現場を支えている。

 

収入が少ないため親と同居している率が高く、

そうなると「介護の担い手を期待される」のでしょう。

もちろん介護が悪いわけではないし、

進んで介護をしたいという人もいるでしょう。

でもどこかで「介護で人生を棒に振ってしまった」と

考えてしまうのは非常につらいことです。

 

「貧困女子」に対して「自己責任だ」という意見があるそうだが、

さすがに憤りを感じずにはいられない。

現在35歳〜54歳の人は就職氷河期にあたります。

私も2004年に大学を卒業したときは超氷河期世代と言われ、

就活に失敗し、

アルバイトから職を転々とし、何とか正社員に滑り込みました。

それは20代だからできたのであって、

それが30代だと難易度はかなり高くなります。

 

職が安定していないと、自立は難しく、

さらに自分の経験ですと、自立していないと結婚も難しい。

(美貌や愛嬌があれば可能かもしれませんが、

自分にはないものなのでわかりません)

10代や20代前半ならまだしも、アラサーを迎えてしまうと、

自分を養ってくれる男性に巡り会える可能性はかなり低い…。

世の中は共働きが当たり前なので、

男性も自分と同等くらいの収入を期待しているものです。

 

このように「普通の幸せ」行きのルートから

一度道を外れてしまうと

浮かぶチャンスがあまりに少ないのも事実なのです。

一方、「普通の幸せ」ルートを順調に進んでいる女性でさえ、

あるきっかけでルートから外れることは大いにありえます。

すべてを社会のせいにするのも嫌だけど、

「自己責任」と片付けるのはちょっと違う気がします。

これから解決すべき社会問題のひとつと言うべきでしょう。