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新しい「レイヤー」をつくろう─坂口恭平「独立国家のつくりかた」

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坂口恭平さんの「発光」を読んでいたら

「レイヤー」という考え方が気になって

「独立国家のつくりかた」を読み直している。

 

「レイヤー」とは「層」のことである。

アドビのIllustratorPhotoshopを使っている人ならご存知の

「レイヤー」機能の、あのレイヤーである。

グラフィック系のソフトでは、

1枚の画をセル画のように何枚も重ねて

グラフィックをつくっていくのが基本で、

その一枚のセル画を「レイヤー」という。

 

いま私たちが生きている世界では、

一番上に「匿名化されたレイヤー」がある。

あらかじめ用意されているインフラや、

世間的に常識だとされていることなど。

 

世界はこの「匿名化されたレイヤー」だけのように見えるけれど、

一番上のレイヤーを隠してみると、

その下には多層なレイヤーがあるらしいのだ。

それは当然だが、目に見えない。

だからそんなことは考えたこともなかった。

それが、坂口さんの言うレイヤーを知ったとき、

様々な層が立体的に立ち上がって、

それで世界ができているということが感覚的にわかった気がしたのだ。

 

匿名化されたレイヤーの中では、

・30年ローンで持ち家を買うこと

・お金を稼ぐために働くこと

・いい大学に入っていい会社に入ること

などが幸せだとされている。

でもこれは匿名化されたレイヤーの価値観に過ぎない。

 

「独立国家のつくりかた」によると、

路上生活者の豊かな世界を知った坂口さんは、

新しいレイヤーの中で生きることに決めた。

まずは家に車輪を付けて、駐車場に停めた。

これが「モバイルハウス」である。

法律的には問題ない。つまり、家はいらなかった。

 

モバイルハウスで家賃がいらなくなれば、

働く必要もなくなってくる。

さらに、色んな人に会って、

自分ができること、やりたいことを話しまくっていった。

すると感心した人からお金や人が集まってきた。

するとお金がいらなくなる。

お金ではなく、自分の才能と対価交換で経済を回していく。

これを「態度経済」というらしい。

これを繰り返ししていくと、

「新政府」の初代内閣総理大臣になることだって可能なのである!

なんだか夢が膨らんできます☆ 

 

 

いま私たちが感じる閉塞感は、

一番上にある匿名化されたレイヤーが

行き詰まっているからに他ならない。

その下には様々なレイヤーがあり、

それで世界はうまく回っているのだ。

 

世界を変えるのは難しい。

だけど自分の新しいレイヤーをつくることなら

できるかもしれない。

新しいレイヤーをつくるのは、

「お金」や「国」がなくなったら私はどうするか、ということ。

そんなこと考えたこともないので、難しいけど、

もし答えが出せたら、もう最強なのである。

 

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