この本、どこに置くべきか ─落合陽一「超AI時代の生存戦略」
書店には毎日たくさんの新刊が入ってきます。
中には、どこのコーナーに置いたらいいのか分からない本がありまして、
迷ったときは原則として著者の肩書きが棚の行き先になります。
例えばホリエモンの本なら教育の本だろうが、グルメの本だろうが、もともとITビジネスから出てきた人なので、ビジネス書コーナーに行きます。
極端な話、大川隆法先生の本なら、内容はなんであれ(どんな人の守護霊であれ)宗教本のコーナーになるというわけです。
それでもどこのコーナーに置いたらいいのか不明な人がいます。
そもそも何をしているのかよくわからない人です。
例えば、高城剛さんとか(元はアーティストだったはず…)、坂口恭平さんとか(元は建築家なんですが…)の本が書店のどのコーナーに置かれているか探してみるとおもしろいかもしれません。
ちゃんと理解して本を置いているか書店のレベルが分かります。
このような「ジャンルレス」な人は書店にとってはちょっと困り者だったりしますが、個人的には好きな人が多いです。
落合陽一さんは、研究者であり、メディアアーティストで、「現代の魔法使い」と呼ばれているあたりが、従来の肩書きでは収まりきれない「ジャンルレス」な人ではないでしょうか。
書店員にとっては困り者の「ジャンルレス」な人はこれからもっと増えていくでしょう。
なぜなら昔は本を出版するにはそれなりの肩書きと権威が必要でした。
いま、出版社が出版をオファーしたいのはSNSで話題になっている人。
もはや著者が何の人であるかは重要ではないのです。
それは決して悪いことではなく、誰もが自分の持っているものをアピールしていかないといけない時代になります。
気になったところの折り目がいっぱいになってしまいました。
先日はじめたばかりの「Usagi Books」で販売予定です。