ひとり会議

新しい意識をそっと伝えるブログ

「最後の秘境 東京藝大」を芸大生目線で読んだら

f:id:eritoshi1005:20161016013522j:plain

 

いま 読んでいる本です。

「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」

発売後から売れていたので、気になって。

 

私は東京藝大ではなく、地方の私立芸術大学出身なんですが、

さすが、日本最高峰の芸大。

変な人のオンパレード。

改めて読んでみるとやっぱり異様ですよね。

 

しかしこっちサイド(芸大生側)からすれば、

カオスこそが日常であり、

所々にある芸大ルールというか、

芸大あるあるに「懐かしいなー」と思いながら読んでいました。

 

それは例えば、 

校内に変なオブジェ急に現れたり、

学食にいるほとんどの人がつなぎを着てるとか、

あるクラスは一人づつ何時間もかけて作品を批評しあう地獄の合評会とか。

 

そしてクラスメイトと待ち合わせしたらほぼ全員遅れてたっけ(笑)

レポートも締め切り前に提出できる自分ってなんて真面目なんだと思っていたけど

後にそれが当たり前だと知りました(笑)

 

合わせて東村アキコ先生の「かくかくしかじか」を読んでいただければ、

芸大生のリアルな日常が分かると思います。

読んだ方はご存知だと思いますが、ええ、大抵の生徒はダラけています。

(もちろん作品を真面目につくってる人もいますよ)

 

 

 

 

変であれば変であるほど、なぜか認められる芸大ならではの「おおらかさ」。

一度慣れてしまうと居心地は最高です。

しかし「おおらか」がすぎると卒業後困ることになります。

「おおらか」が「いいかげん」になる瞬間です。

 

私は大学を卒業した2004年は、就職氷河期真っ只中にも関わらず、

就活してる人が半数ほどでした。

周りがしていないとやらなくていい気がして、

私も就活を大手だけ受けて、心が折れて辞めてしまいました。

初めて社会の現実を思い知らされた瞬間です。

 

それは東京藝大であっても同じのようで

「卒業生の半数は行方不明」らしいので安心しました(笑)。

 

全く芸大とは本当に不思議な場所だ。

現代社会に残された最後の秘境なんだね。

 

学生のみなさんひとり一人の

作品に対する熱いパトスに目を細めずにはいられない。

青春そのものだ。みんなキラキラしている。

できることならもう一度本気で勉強したい…。

 

最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常